メッキの種類と技術
ヤマベニが扱う電気めっきの種類
ヤマベニが扱う電気めっきは、表面めっきとして、「光沢スズめっき」と「光沢ニッケルめっき」です。また、下地めっきとしては「銅めっき」と「ニッケルめっき」を扱っています。
ヤマベニが想定するめっきの要求機能
ヤマベニが想定する「光沢スズめっき」への要求機能は、はんだつけ性、接点性(低接触抵抗)、潤滑性、防錆・耐食性、外観維持(半光沢メッキより良好)などです。
また「光沢ニッケルめっき」への要求機能は、防錆・耐食性、潤滑性、外観維持などです。
下地めっきについて
ヤマベニが行う下地めっきは、「銅めっき」と「ニッケルめっき」です。「銅めっき」は、ハンダ付け性が良好であり、「ニッケルめっき」は、耐ウィスカー性に優れています。自動車関連の電力系部品の場合は、「銅めっき」が多く、通信系部品の場合は、耐ウィスカー性を考慮して「下地ニッケルめっき」が、最近では多くなっています。
ヤマベニで扱っているめっき素材、銅・銅合金について
❶ 主な金属の導電率
自動車部品として使われる金属には、鉄が多く使われていますが、電子部品に使われる金属には、銅が多く使われます。この銅・銅合金の要求特性は、導電性、強度、曲げ加工性などです。銅は他の金属に比べ導電率が高く、純銅の導電率はステンレスのSUS304の50倍ですが、全ての銅・銅合金の導電率が高いとは限りません。また、銅の強度は、アルミより強く、鉄より弱く、金、銀より強いですが、一般に銅合金は強度を強くすると、導電率が低下し、強度を増すと曲げ加工性は悪くなります。また銅は、コネクターに多く使用されるため、バネ性をも要求されます。
❷ 主な銅合金とその用途
純銅(TPCタフピッチ銅)は、導電率が良好ですが強度が弱いという特性があります。また、強度も導電率も良好なのが、ベリリウム銅合金(Cu-Be)です。
低合金化銅
主な合金 : タフピッチ銅
導電率 : 80~100
用途 : バスバー、コード線
表記記号 : C1100
無酸素銅
導電率 : 102
用途 : ターゲット材
表記記号 : C1011
固溶合金系
主な合金 : 黄銅
導電率 : 27
用途 : 圧着端子
表記記号 : C2600
固溶合金系
主な合金 : 黄銅
導電率 : 27
用途 : 圧着端子
表記記号 : C2600
改良りん青銅系
導電率 : 40
用途 : 自動車用コネクター
表記記号 : C50715
固溶合金系
主な合金 : KLF,C7025
導電率 : 30~40
用途 : ICリードフレーム
表記記号 : C7025
固溶合金系
導電率 : 50~70
用途 : 自動車高電流部品
表記記号 : C19400
金属 | 導電率%IACS |
---|---|
アルミ | 61.0 |
銀 | 106.1 |
金 | 74.9 |
銅 | 100 |
鉄 | 17.3 |
亜鉛 | 29.2 |
錫 | 15.3 |
ニツケル | 14.7 |
SUS304 | 2.0 |
特性では、純銅(TPCタフピッチ銅)は強度は弱いが導電率は良好です。強度も導電率も良好なのがベリリウム銅合金(Cu-Be)です。